ヒュンダイあらためヒョンデがゼロエミッション・ビークルのBEVとFCVの2車種で日本マーケットに再参入する。オーダーの受付は5月に始まり、納車は7月から始まる。国内で同社のクルマが正規販売されるのは09年12月の撤退以来、約12年ぶり。
ビデオ出演したヒョンデ・モーター・カンパニーのチャン・ジェフンCEOは「当時、ユーザーの声に耳を傾けられなかったことが撤退の原因になった。原点に立ち戻って日本市場に参入したい」と意気込みを語った。ちなみに撤退時に存在していた約1万5000台のうち、いまでも600台が現存しているという。
BEVのアイオニック5は74年に公開されたポニー・コンセプトをオマージュしたクルマ。前後ランプ類やホイールにはピクセルをモチーフにしたデザインが用いられている。3mのロング・ホイールベースによって広いキャビンが確保され、スライド式コンソールと全席にメモリー機能を採用。また、車外からも操作できるリモートパーキング、内蔵型ドライブレコーダー、ARヘッドアップ・ディスプレイといった先進装備も備わっている。ウインカーレバーが右側に移設されて国内ユーザーに使いやすい設計に仕上がっている点も朗報だ。
EV専用プラットフォームに最大72.6kWhの大容量バッテリーが搭載され、WLTCモードで618kmの航続距離を実現。もちろん、CHAdeMOに対応しており、90kWの充電器を使った場合には約32分で80%まで充電できる。
税込み価格は479.0万〜589.0万円。
FCVのネッソはWLTCモードで820kmの航続距離を誇る。大気を取り込んだ際に浄化するシステムが搭載されており、格納式ドアハンドルとフルアンダーカバーによってCd値0.32をマークしている。
税込み価格は776万8300円。
投入される2車種は試乗予約から見積もり、注文、決済までが全てオンラインで完結する。また、購入相談から点検・整備までがワンストップで提供されるカスタマーエクスペリエンセンターが今夏、横浜市に開設される予定だ。その後、全国に協力整備工場が展開されていく。
足がかりとしてカーシェア事業への納入も計画されている。パートナー企業であるDeNA SOMPOとの協業を予定。年内にアイオニック5が100台、ネッソが20台、それぞれエニカのオフィシャル・シェアカーとして導入される。ちなみにエニカとは15年にスタートした事業で、クルマを使わない時に貸し出せる個人間シェアも含まれていて累計2万台が登録されているという。
DeNA SOMPOが展開するサブスク・プログラムでも用意される。その結果、短期的なシェア、中期的なサブスク、購入という3パターンの所有形態が整う。
ポップアップ・スペースとして2月19日から5月28日まで、ヒョンデ・ハウス原宿が渋谷区神宮前のJing原宿に期間限定で開設される。