トヨタ系列販売店、新たに10拠点で不正車検発覚!!

佐藤本部長、「心と心が結びつく会社づくりを目指す」

トヨタ自動車と同社の直資本ディーラーであるトヨタモビリティ東京(TMT)は9月29日午後、共同でリモート会見を実施した。同社の社内調査と国交省の監査により、新たに10拠点で不正車検が確認された。

すでに不正が発覚しているネッツトヨタ愛知プラザ豊橋店、TMT傘下のレクサス高輪店、ネッツトヨタ山梨本社セイリア店、トヨタカローラ鹿児島大隅店に加え、TMT江戸川瑞江店、広島トヨタ広店、トヨタカローラ山口安岡店、トヨタカローラ愛媛中央通店、ネッツトヨタ沖縄南風原店、鳥取トヨペット米子店、トヨタカローラ宮崎日南店、徳島トヨペット阿南店、沖縄トヨタ宮古店、長崎トヨペット琴海店の10拠点で不正車検が確認された。これで今春以降、不正車検が発覚したトヨタ販売店は合計14拠点となった。不正車検の総台数は6500台余りにのぼる。

会見の席上、トヨタ自動車の佐藤康彦国内販売事業本部本部長は、「従業員が組織を信用していないのは、悲しく辛いこと。本音が言える職場環境づくりに取り組み、心と心が結びつく会社づくりを目指す」と話した。

国交省自動車局整備課は、「トヨタが全国販売店に行った総点検の結果、１２店舗の法令違反があったとの報告が同社からありました。このような法令違反は、自動車の安全を支える車検制度の根幹にかかわるものであり遺憾です」と再発防止にトヨタとトヨタ系販売会社が全力を尽くすよう促すともに、自動車局長名で「当分の間、四半期ごとに状況報告するよう」求める通知を発出した。
本件、マガジンXも継続的に記事を掲載してきたが、不正車検、手抜き整備、部品詐欺、パワハラ問題はいずれもこれで収束とはいかない。本誌記者が「トヨタの史上空前の利益はピラミッドの下を支える犠牲の上に成り立っているのではないか」の質問に対して、佐藤本部長は「利益の付け替えは行なっていない。しっかりと販売店をサポートしていく」と改革の決意を語った。その言葉を信じたいものだ。

取材・文・写真/神領　貢(マガジンX編集長)