10月15日にモデルチェンジで生まれ変わるレヴォーグの先行予約が始まった。
最大の見どころは、ついに刷新されるEyeSightの搭載だ。ヴィオニア製ステレオカメラの採用で検知画角は従来の約2倍(具体的な数値は非公表)に広がり、見通しの悪い路地で横からの車両を検知する側方レーダーがフロントコーナー左右に追加される。こうしたブラッシュアップを経て衝突被害軽減ブレーキは右折時の対向車、右左折時の歩行者、前方を横切る自転車にも対応。
さらに、自動運転の領域に近い機能を有するEyeSight-Xが約35万円高(税別)で用意される。衛星やGPS、3D高精度地図データが活用され、高速道路でクルーズコントロール使用中にカーブや料金所に差し掛かると車速が制御されて自動的に減速。また、ブラインドスポット警告の後側方レーダーを活用することでレーンチェンジ・アシストが他の国産Cセグメント車に先がけて実現されるのも見逃せない。設定車速の範囲内で加速(もしくは自車より遅いクルマの後方に入る場合は減速)してくれるが、その動きはステアリング操作ともどもスムーズで完成度の高さを実感。もちろん、斜め後方に並走車がいて衝突する恐れがある時はウインカーレバーを操作してもシステムは作動しない。
すでにEyeSightツーリングアシストで実現済みの渋滞時追従走行は再発進時までの保持時間が最長10分まで延長され、いちだんとストレスフリーに仕上がっている。これまで作動状況はドライバーの視点から遠いインパネ中央のディスプレイ画面に表示されていたが、12.3インチのフル液晶メーターが開発されたことで目の前に大きく表示。輸入車のように地図画面に変えられるほか、通常の2眼メーター表示時は絵に描いたような平板な印象がなく質感が高いのも魅力的だ。この液晶メーターは11.6インチのインフォテイメント画面とともにEyeSight-X装着車におごられる。
安心感アップにつながるドライバー異常時対応システムは、ドライバーモニタリングシステムを活用した新装備だ。脇見をしたりステアリングホイールへの入力が途絶えると警報が鳴り、それでも反応がない場合には30km/hまで減速するとともにハザードランプが点滅、そしてホーンが断続的に鳴って周囲に異常を知らせつつ最終的に停車する。カーブの途中や抜けた直後は見通しが悪くて追突される恐れがあるため、直線路まで進んでから停車するという賢い配慮も(!)。
税別の予定価格は:
新世代EyeSightや歩行者エアバッグ、17インチタイヤ、前席シートヒーター、運転席パワーシートが装備されるGTが約281万円。
18インチタイヤや助手席パワーシート、電動ハッチゲートが加わるGT-Hは約300万円。
専用アルミホイール、専用バンパー&グリル、ボルドー&ブラックの本革シートなどが備わるSTIスポーツが約336万円。
文中で触れた35万円高のEyeSight-Xは全車に用意される。
参考スペック(STIスポーツEX)※数値はすべて予定値。
●全長×全幅×全高:4755mm×1795mm×1500mm
●ホイールベース:2670mm
●パワートレイン:1.8Lボクサー4ターボ(177ps/300Nm)
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:13.6km/L
●税抜き価格:約372.0万円