新世代ボルボの口火を切って登場したXC90が19年夏にマイナーチェンジでリフレッシュされた。前後バンパーとアルミホイールが刷新され、本革シートに新色が追加されてイメチェン。また、全車に標準化されている安全デバイスにも磨きがかかり、衝突被害軽減ブレーキにはドライバーが障害物や衝突を回避しようとステアリングを操作した際、その操作が補助(助長)されるとともにクルマの向きが変わりやすいようブレーキ制御が介入するサポート機能を追加。リアクロストラフィック警告にブレーキ制御が追加されたのも朗報だ。
併せて注目したいのが、R-DESIGNの復活である。スポーティな装いで異彩を放つ同グレードはデビュー時にT6(ガソリン)エンジン搭載車としてラインナップされていたが、約1年で姿を消した。しかし、19年3月にD5(ディーゼル)エンジン搭載車が追加されたことを受け、その力強さにマッチするのでは?との理由で今回R-DESIGNが再登場。ディーゼル・エンジンとR-DESIGNがXC90で組み合わされるの初めてだ。
外観にはR-DESIGNならではのアイテムが数多く盛り込まれている。ブロック状にデザインされた専用グリルをはじめ、ドアミラーやルーフレール、ウインドウモールはツヤありブラックに仕上がっていて精悍な印象を演出。前後ホイールアーチのモールがボディ同色に塗装されている点も見逃せないが、何より目を引くのは275/35Rタイヤと22インチアルミホイールだろう。
本来、インテリアには木目パネルが用いられているが、R-DESIGNではカーボン製に差し替えられている。手元で変速操作が行えるパドルシフト、アルミペダル、ロゴ入りスポーツシートも専用装備。従来のR-DESIGNは内装色がブラックに限られていたが、今回はブロンドと呼ばれる淡いアイボリー系が選択可能になった。
搭載エンジンは他グレードと同じ2L直4ターボで、235ps/48.9kg-mをマーク。R-DESIGN専用に特別チューンされているワケでもなく、ドライブモードで「エコ」「コンフォート」「ダイナミック」「オフロード」「インディビジュアル」が選べる点にも変わりはない。同様にサスペンションの味つけも他グレードと同じで、タイヤサイズが異なる点を除けば相違はない。
4輪エアサスペンション(オプション価格31万円)のおかげもあってか、荒れた路面や道路の継ぎ目でも衝撃が伝わってくることもなく、乗り味は22インチタイヤ装着車であることを忘れさせるほどに良好だった。
主要スペック(R-DESIGN)
●全長×全幅×全高:4950mm×1960mm×1760mm
●ホイールベース:2985mm
●車両重量:2110kg
●最小回転半径:6.0m
●パワートレイン:2L直4ディーゼルターボ(235ps/48.9kg-m)
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:8速AT
●WLTCモード燃費:13.6km/ L
●税込み価格:959.0万円(オプションを含まず)