びっくりした!!
来年度政府予算案が発表された。このうち一般会計に貸し出されたままになっている6122億円(今年度末見込み)もの自賠責保険積立金運用益のうち、来年度は40.3億円が繰り戻されると先に報じた。
ところが、取材してみると大変なことが分かったのだ。先に今年度補正予算案として公表された「サポカー導入補助金」に12.5億円が計上されたのだが、なんとこのお金は「繰戻金です」(財務省主計局国土交通2.3係)との回答が返ってきたのだ。なんのことはない、「サポカー補助金」は私たちの支払った強制保険積立金から出ているのである。国に「アリガトウ」という筋のはなしではまったくない。
財務省の担当者は、「サポカー補助金は自動車事故対策事業」だからと税金と強制保険の保険料がごっちゃになっても問題ない立場だ。今回のことがまかり通ってしまえば、今後の安全対策事業を私たちが支払った強制保険の保険料で賄うことに道筋をつけてしまうことにもなりかねない。自動車税、消費税、ガソリン税、自賠責保険、高速道路通行料、継続車検、免許更新など、クルマ所有者からありとあらゆる税を取っておきながら、かつ旧道路特定財源を一般財源化しておきながら、こうした素性の違うお金をいっしょくたにしてしまう。財務省は説明責任を果たすべきだ。財務省の担当者に対しては、「こうした紛らわしいやり方はおかしいのではないか」と指摘した。
財務省は52.8億円繰り戻したことにしている。これを既成事実化してはいけない。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)