日産の西川社長辞任で何が起こるのか
昨日、西川社長が9月16日をもって日産社長を辞することが決まった。ストックオプションの株価決定日を意図的にずらして報酬額を増やしたことが内規に抵触するとのガバナンス委員会の判断を受けてのものだ。西川社長は自身の意図ではなくケリー元代表取締役の指示によるものだった。自分は知らなかったと釈明するがスッキリはしない。
ゴーン氏に関する社内調査に区切りがついたことを辞任決意の動機であるように説明はされたが、上半期途中でのCEO退任はやはり中途半端のそしりは免れない。
さて、西川さんが辞任することしたと言っても、日産の前途は多難だ。ルノーとのアライアンス問題、ゴーン氏への賠償請求問題、従業員の1割にあたる1万2500人もの人員削減問題、主力のアメリカ市場を中心とした収益改善の取り組みなど問題山積である。ハダカになる西川さんの不正疑惑も追及の輪が狭まるかもしれない。
完成検査不正、ゴーン氏逮捕、西川氏辞任の「日産劇場」は新体制が発足する10月末に向けて第2幕を迎えることになる。ところで、西川さんの取締役退任を決める臨時株主総会はいつ頃開かれるのだろう。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)