地球規模のエコカー普及拡大に向け トヨタが電動化システム外販に本腰

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地球規模のエコカー普及拡大に向け

トヨタが電動化システム外販に本腰

 

トヨタ自動車は初代プリウスの開発から20年以上にわたって積み上げてきたハイブッドシステムをはじめとした車両電動化について、外部企業への外販を強化していくことを明らかにした。合わせて同社が単独で保有する2万3740件におよぶ特許についても実施権の無償提供を行う。

電動化における「三種の神器」とも言うべき、モーター、バッテリー、PCU(パワー・コントロール・ユニット)のサプライヤーとして部品を供給するほか、システムと採用メーカーの車体、制御プログラムとの擦り合わせなどについても技術的なアドバイスやサポートを行う考えだ。2030年末までの時限措置。

以下は寺師副社長と記者の質疑応答要旨
Q 協調回生を入れないのか?
A ソフトウェアは搭載や適合のお手伝いをします。単品でも売ります。
Qティア1が主役になるのでは?
A われわれはティア2にもなります。EVキャスがミッドランドに入っているが、各社の考え次第。基盤は同じでも
ワガママなティア1の意見を聞かなければならないのは覚悟してます。
Q 株主は?
A  BツーBのシステムサプライヤーとしてやっていく。
Q デメリットはないのか?
A 5年前だとやらなかった。特許料を支払ってもらっているのがなくなるのがデメリットだが、タイミングは今じゃないか。特許公開は表札みたいなもの。入口。
Q なぜ今なのか?
A 1.5倍くらいの手間暇がかかる。他社販売をやっても、自分たちにとっても大きな決断。今後、もっと増える。CAFEの規制はもっと強くなる。片手間でやれる仕事ではない。次のビジネスをやるための組織の作り、投資計画も作り、海外生産もやる。当然、セールスやらねばならないが、まだお店を開いていないのにお客様が並んじゃった。当面、お客様に困ることはない。HVにはいろんな選択肢がある。ここ5年くらいが大きな転換点になる。
Q特許は20年なので基本特許は切れるが、実用特許は積み重ねられる。広瀬工場をデンソーにまとめたのはこのためでもある。総量で下げるタスクを負わなければならない。2030年を考えると、ソフトウェアのバーチャルの人たちは丸受けして、自分たちのソフトウェアを乗せていこうと考える。企業数を考慮すると3桁。1プロジェクトあたり2桁の要員がいる。
特許公開によってとても嬉しいことがあるわけではない。一緒にやるのは電動車が増えていく時に、同じ部品が使えることはメリット。時間が経ったとこに都度、一番新しい電池を詰める。なるべく多くの仲間を増やす。一番は電池のパック。クルマとしての差別感はどうするとかはあるけど、協調の部分をなるべく広げておきたい。
何キロ走るかも大事だけど、5年後、10年後に何キロ走るかが大切。変化率が小さいね。HVの技術はそう簡単には真似ができないなぁと。ロボタクにはあまり興味を持っていないけど。クルマのビジネスで、本当に売ったあとまで面倒見てくれるのか。色んな可能性を考えている。電池はそれぞれの事情があるので簡単ではない。
Q 外販するなら特許開放はいらないのでは?
A EVの専用プラットフォームがいい。THSなんですか、シリーズなんですか。今の延長線上である程度まで行ける。色んな選択肢がある。いくばくかの特許料をもらっているし、ご興味があればどうぞ。特許もどうぞの方がオープンな感じがあるでしょ。
Q ZEVの規制の歴史を見てみると、HVとFCVと今でもクレジットは違う。もっともっとZEVを売りたいとカリフォルニア州は考えている。時間は欲しいとは言うけど、最後はお客様技術そのクルマを買うのかの問題は解決していない。
アクアは近いうちに次の世代を出します。が、まだまだ競争力はある。単純に新しい製品を出すのはコストも嵩む。各地域のニーズは必ずしも新しいものばかりではない。最新のものだけが数の対象にはならない。
FCVはマイナスエミッション。フィルター技術を磨くと窒素酸化物や硫黄酸化物を減らしてくれる。どんどん綺麗にしてくれる。EVとFCVはどっちが良いか議論ではない。

取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)
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