三菱の益子CEO、「三菱らしさ」 とは何か 「持続可能な形で収益力を上げていく」

スポンサーリンク
三菱の益子CEO、「三菱らしさ」 とは何か
「持続可能な形で収益力を上げていく」

三菱の今年度上半期売上高は1兆1693億円、前年同期比2216億円増、23.4%増、営業利益569億円、同127億円増、28.6%増だった。営業利益率は4.9%と、同0.2ポイント向上した。

半期の四輪車販売台数は59.4万台、前年同期比9.6万台増だった。アセアンが同26%増と大幅に伸びた。
通期の売上高、営業利益見通しは変更ない。通期売上高2兆4000億円、前年同期比9.5%増、営業利益1100億円、同12.0%増を見込む。
質疑応答。
Q 設備投資について。
Aサスティナブルな設備投資をやって行こうと。売上げの5%程度でいこうと。売上げの比率を大きく超えることのないようやっていく。販売台数は大幅に伸びたが、下期はエクスパンダーをタイやフィリピンなどにも導入したい。トライトンL200は9日に発表する。
Q新興国の為替について。
Aインドネシアルピアやロシアルーブルなどは保守的に見ている。通期109円の米ドルでバッファを持っている。現地調達率の向上は為替リスクのヘッジになる。タイ一極からインドネシアを増やしたことで柔軟に対応できる。
20年前の新興国通貨安と現状は異なる。セーフティネットもすでに構築されている。外貨流動性の短期的リスクは小さい。楽観はしていないが、アジア通貨危機を経験したアセアン諸国は対応できる。
中期経営計画2年目。販売金融会社を自前にした。中国で現地生産のエクリプスクロスを販売開始した。
通商問題について。
これまでも自動車はいつも主要な課題として取り上げられてきた。我々の世代が解決策を見出せないとは思っていない。それぞれの地域を良く理解しニーズに応えることでリスクに備えることができる。
Q 日本事業の黒字化は?
A 前期の上半期127億円の赤字が15億円の赤字まで縮まった。三菱リースの持ち株50%を含め販売金融会社を完全子会社化した。年末には新車投入もある。アフターセールス強化をやっていきたい。固定費、経費の削減もやっている。多角的に取り組んでいる。
Q 西日本豪雨の業績への影響について。
A 台風21.24号も含めて40億円の影響があった。サプライヤーのサポートについては、7月当時から復旧作業の人的支援を行った。前払い等の資金支援を行った。先行き不安を少しでも解消するべくやっている。アライアンスに入ってから、グローバルなサプライヤーを優先しがちだが、三菱だけで付き合いのあるサプライヤーが約100社ある。ローカルサプライヤーに対して海外の進出支援も行っている。岡山県とはEV化への移行ができるようにサポートしている。
西日本豪雨により日本のモノづくりの底力を再認識した。系列を超えて金型を短期間で作り直し、高い品質の部品を供給してくれた。そういう現実があることを知っていただきたい。
Q 減速感が強まる中国市場について。
A 全体的には厳しいというのが正しい見方。SUVは大きな影響を受けていない。ディーラーネットワークをさらに拡大していく。それほど大きな懸念はない。
Q 就活ルール廃止への対応について。
A 自動車産業に対する関心が弱くなっている。会社選びの基準に、働き方改革の中身を知りたい、大きな都市で働きたい、これは世界的な傾向。柔軟に人材確保に努めなければならない。
Q新NAFTAへの対応について。
A アメリカでのサプライチェーンを変えることは考えていない。
Q 米中の通商問題で影響はあるのか?
A 長期化することで中国の景気に影響がでるのか、アメリカのサプライチェーンがどうなるかに注目している。
Q スバルの完成検査不正について。
A スバルについてはコメントは控えます。経験の中で学んだことは、自動車産業だけでなく、日本が抱える問題として構造変化の転換期にある。社会や企業の中に出来ないと言えない雰囲気がある。大切なものは何かを改めて見直す機会。業績重視のために安全安心を疎かにすることがあってはならない。正直に透明性を持って仕事をする、不幸せな社員を作らない、社会に貢献すること。世の中にもっと落ち着いた雰囲気があっても良いのではないかと思うようになった。
「三菱自動車らしさ」「あるべき姿」は規模の拡大のみを追求するのではなく、持続可能な形で収益力を上げていくこと。限られた商品の商品力を磨き上げ、強い地域で販売を伸ばす。選択と集中、無駄の排除を徹底的におこなう。それらにより「らしさ」にたどり着けるのではないかと思っている。
スポンサーリンク