ホンダがNシリーズ初の商用車となるN-VANを発表した。税込み価格は126万7920~179万9280円。
N-BOXと同じセンタータンク方式のFFシャシーが使われているが、助手席をダイブダウン方式に仕立てることで荷室長を確保。また、横から大きな荷物が載せられるよう、ピラーをドアに内蔵することで1580mmの広い開口部が確保されている。全車に衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備が標準化されているのもセールスポイントのひとつだ(レス仕様も設定)。
開発責任者の古舘 茂さんは「開発はN-BOXと同時にスタートしたが、自ら軽バンを使う機会が少ないため、実際に使われているユーザー(宅配業や設備関連業、移動販売業)のもとへヒアリングに出かけた」と振り返った。調査の結果、広い荷室は当然のことながら、疲れにくいシートや走行中の静粛性を求める声もあり、荷物オンリーではなく、荷物と使う人の両方に配慮して開発を進めたという。
ピラーレス構造はハイライトが当たりそうな部分だが、じつは当初は計画になく、せっかく助手席をダイブダウンさせてもピラーがジャマになるとの理由からアイデアが浮上。でも本当に役立つのか?と、独りよがりになってしまわないようヒアリングを重ねたそうだ。
FF方式ともなれば積載時に駆動力が抜けてしまわないか心配になるが、車輪が四隅に配されていて十分に使える性能が確保されているのは当然のことながら「登坂路の多い地域のユーザーには4WDを選んでもらえるよう用意した。4WD車でも室内の寸法は変わらない」と古舘さんは説明する。
執行役員の鈴木麻子さんによると、販売構成はGとL(標準グレード)が70%、+スタイル系が30%を占める見込みだが、立ち上がりは+スタイル系の比率が高めに推移しているという。大口法人との商談も始めているそうだ。