続報! ルノー日産アライアンス見直し
自律性と効率を将来も両立できることが大切
日産自動車の2018年3月期決算は、売上高11兆9512億円、前期比2.0%増、営業利益5748億円、同22.6%減だった。世界販売台数は、577万台、同2.6%増だった。
当期の見通しは、売上高12兆円、営業利益5400億円としている。世界販売台数見込みは592万5000台。為替は円ドル105円、円ユーロ130円。当期は前期比微増収ながら減益としている。
質疑応答。
Q アメリカ事業について。
A 中期的にはさらに成長したいが、短期的には収益性の改善を最大限の目標にしたい。販売の質を上げていきたい。インセンティブ増によって台数増で利益を減らすことはしない。フリートよりはピュアリテイルを増やしていく。四月は販売台数を落としたが、通期では微減で戦略を進めている。
販売の質を最適化したい。目標を必達したい。フリートよりもリテイル、車種バランスも改善したい。2018年度には新型KIXを今月末に、さらに新型アルティマを投入する。タイタン、ローグスポーツも通年でやる。アメリカのシェアも増えている。
Qルノーとのアライアンスの将来像について。
A 私の理解は、アライアンスを世代を超えて維持していく仕組みを作らなければならない。その中に資本構成の変更も含めて検討する。原則として各社の自律性を維持する。それは成長のエネルギーの源泉。競合他社に対して規模のメリットを同様に享受しながらやっていく。
今のまま渡すのは、ゴーンさんのような人が必要。そこを仕組みで担保していく。今年度以降、出来るだけ早いタイミング、ただし、1、2カ月ではない範囲で検討していく。
Q 新たなサービスは新たな収益の柱となるのか?
A 予測値、お話しできない見込み値はあるが、その通りになるかどうかも分からない。
我々は自動車屋。クルマをお渡ししてからを考えたがる。新車の部分とモビリティサービスの部分では性格が異なる。モビリティサービスの部分も仕事をしていきたい。アセットとしてのノウハウを持っているわけではないが、クルマが進化している部分で強みが増えていく。約束できないが、今年度中にもう少し具体的なものものをお見せしたい。
Q アメリカの事業についてもっと詳しく知りたい。
A 我々は全部を変えるわけではないが、戦略を若干手直ししている。全需に比べて落ち過ぎの印象。第一四半期は変化の時期。この後はポートフォリオがどんどん良くなっていく。
方向性は明確。フォーカスすべきはリテイル。表面的には微増でも。販売店在庫も相当減った。フリートを4から5ポイント下げたい。その分、リテイルセールスを増やしていきたい。8月から9月には新型アルティマも出る。販売店には説明している。プランは守る。五月は相当良い数字になると思う。
減益の結果を甘んじて受けながら、アメリカの収益性を改善していく。後半良くなっていくと想定してやっている。
Q 完成検査問題の影響は払拭されたのか?
A 2017年度の販売台数は2016年度に比べて増えている。10月、11月は売れなかったが。生産も正常化してきている。少し時間がかかったなぁと思うけど。
Q ルノー日産の資本関係の歪みについて。
A 新しい話ではない。資本構成のバランスは日頃一切出てこない。フェアな関係でお互いにやっている。建前ではなくスピリット。
そうは言っても将来にわたって安心して働けるような環境を作っておかなければならない。バランスを取っていくことは変わっていない。思っていることを具体化していく段階にきているなぁと。新しい話ではない。
Q ルノーとの資本構成の変更について。
A 合併を検討している事実は一切ない。求める答は自律性を担保しながら、将来、リーダーが変わってもどう維持できるか。機能している自律性と効率を犠牲にすることはない。