今年のF1日本グランプリは、10月の最初の週末に鈴鹿サーキットで開催される。とくに今回は30回目の記念大会となる。鈴鹿サーキットのホームページによれば、チケットは来月5月13日発売とのことだ。
さて、日本でのF1開催についてはFIAとの間で3年ごとに開催権料が見直される。今年は全21戦が行われるが、その影響力の大きさもあって経済成長著しい新興国を中心に「開催希望は多い」(事情通)といわれる。そうした事情の中、モナコGPを別格にすれば、ヨーロッパのいくつかのGPと同様に日本GPは30年の伝統があり、主催者もFIA関係者からの信頼もを獲得している。だから順当に行けば、2019年シーズンからの3年間も契約更新はできるはず。
主催者の鈴鹿サーキット(モビリティランド)だって、ホンダがトロロッソと3年契約を結んだばかりだし、2019年からの3年間は2020年7月から開催される東京オリンピック/パラリンピックなどの大規模イベントもあり、インバウンド拡大も期待される。是が非でも継続開催したいところだろう。が、ここでネックとなりそうなのが、開催権料だ。開催権料については、「歴史の新しいGPに比べると日本GPは相対的に安い」(同)のは事実だ。歴史のある日本GPの開催権料は、「全体から見れば安い部類に入る」(同)が、「FIAはシリーズ全体の開催権料を平準化して全体としては底上げしたいと考えている」(同)ようなのだ。
日本GPは折りからのモータースポーツ人気の停滞もあり、観客数は減少傾向が続いている。日本GPを主催するモビリティランドとしては開催権料がいまより極端に高額になるようだと、「興行面から日本GPの契約更新ができない事態もないとは言えない」(同)状況ではあるようだ。契約更新には資金面で本体の支援が必要になるかもしれない。この点についてモビリティランドの親会社であるホンダに聞いた。
『モビリティランドの事案ゆえ基本的にはコメントする立場にありませんが、日本での開催を楽しみにされているファンの皆様のために、Hondaとしても日本開催継続を望んでおりますので、モビリティランドをサポートしてまいります』(広報部)と支援に前向きなコメントがもらえた。F1日本グランプリ継続には、まず私たちが日本グランプリの観戦にいくことが大切。一度、他国に開催権がいってしまうと、簡単には取り戻せない。ここはみんなでF1日本GP継続開催を後押ししたいものだ。
http://www.suzukacircuit.jp/f1/
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)