11月6日(日)中国の上海国際サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第8戦上海6時間レースの決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDが2位、3位表彰台を獲得した。
2台のトヨタはポルシェ#2号車と激しい順位争いを展開、レースが2時間半を過ぎた頃に小林選手が強烈な走りでポルシェ#2号車を抜き去って、見事2番手につけた。さらにトヨタの攻撃は続き、ブエミ選手に替わった#5号車もポルシェ#2号車を捕らえ、3番手に上がる俊足を見せた。ところがここで、コンウェイ選手のドライブ中に左後輪がパンクして4位に後退、代わって#5号車が3番手に上がった。
#6号車には更に不運が続いた。ゴールまで1時間半を切った頃、再びパンクに見舞われて、予定より早いピットストップを強いられた。しかし、そのタイミングに小林に交替した#6号車はポジション奪回の攻撃的な走りを展開、まず#5号車を抜き去り、さらにポルシェ#2号車を捕らえた。2度にわたってパンクという不運に見舞われた。にもかかわらず2位を手に入れることが出来たのは、クルマ自体のスピードと、見事なピットワークによるもの。
ゴールまで僅かな時間を残して各車が最後のピットストップを行った際、#5号車もポルシェ#2号車をかわして3位に上がった。#6号車は2度のパンクから立ち直って2位を快走。しかし、トップを走るポルシェ#1号車との間隔は1分ほど開いており、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは2位、3位でチェッカー。2014年の上海以来となる2台揃っての表彰台獲得となった。
4戦連続の表彰台となる2位に入ったことで#6号車のドライバー達は逆転ドライバーズタイトルへの望みを繋いだ。首位のポルシェ#2号車のドライバー達との差は17点に縮まり、その結果、タイトル争いは2週間後に行われる最終戦バーレーンに持ち越されることとなった。
#5号車にとればこの上海のレースが今シーズン初の表彰台。この結果、TOYOTA GAZOO Racingはマニュファクチャラーズ選手権でも2位獲得の可能性を最終戦に残すことになった。バーレーン戦を前にアウディに15点差に迫っており、バーレーンで2台が最多得点を挙げれば44点を獲得出来る。
バーレーンでの結果がとても楽しみだ。
TS050 HYBRID #5号車 :(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
決勝 : 3位、195周、ピットストップ6回、スターティンググリッド : 2番手、最速ラップ(1分46秒791)
TS050 HYBRID #6号車 :(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
決勝 : 2位、195周、ピットストップ7回、スターティンググリッド : 4番手、最速ラップ(1分46秒822)
第8戦 上海6時間 決勝結果
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | 周回 | ベストタイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | ティモ・ベルンハルト マーク・ウェバー ブレンダン・ハートレー |
ポルシェ・チーム/ ポルシェ919ハイブリッド |
195 | 1:45.935 |
2 | 6 | 小林可夢偉 ステファン・サラザン マイク・コンウェイ |
TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
195 | 1:46.822 |
3 | 5 | 中嶋一貴 アンソニー・デビッドソン セバスチャン・ブエミ |
TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
195 | 1:46.791 |
4 | 2 | ロマン・デュマ ニール・ジャニ マルク・リーブ |
ポルシェ・チーム/ ポルシェ919ハイブリッド |
195 | 1:46.847 |
5 | 8 | ルーカス・ディ・グラッシ ロイック・デュバル オリバー・ジャービス |
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アウディR18 |
192 | 1:46.185 |
6 | 7 | マルセル・ファスラー アンドレ・ロッテラー ブノワ・トレルイエ |
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アウディR18 |
181 | 1:46.857 |