欧州の独立系衝突安全性能試験、「ユーロNCAP」で新型E クラス セダンが最高点の5 つ星評価を獲得した。しかも、判定基準を大幅に上回るレベルでの5 つ星獲得だという。
新型E クラス セダンの乗員安全性、子供の安全性、歩行者保護性能、運転支援システムに対して「ユーロNCAP」の5 つ星評価が与えられたもので、同モデルは、上記の4 項目に関する「ユーロNCAP」試験において、最高点5 つ星獲得に必要な基準を大きく上回り、この最高評価に特に相応しい性能を示したそうだ。
試験項目
新型Eクラスの結果 5つ星評価基準
乗員安全性 95% 80%
子供の安全性 90% 75%
歩行者保護 77% 60%
運転支援システム 62% 50%
新型E クラス セダンはさらに、PRE-SAFE®とアテンションアシストの2 点の装備について、「ユーロNCAP」アドバンスド賞を受賞した。同賞は、星評価よりもさらに高い基準を設定し、革新安全技術を評価・表彰する制度。
新型E クラスセダンが、「ユーロNCAP」でこうした優秀な成績を収めた主な要因は、安全性の高いボディ構造とセーフティキャビン、きわめて効果的な乗員保護装置、それに複数の運転支援システムを組み合わせていることが挙げられる。
緊急ブレーキ機能が標準装備となっていることもその一例で、この装備は、衝突の危険が高い場合にドライバーに警告し、緊急ブレーキに対して支援を行うほか、必要な場合には自動でブレーキを作動させ。このほか、ドライバーの注意力が落ちたり、眠気を催したりした場合に警告するアテンションアシストや、クロスウインドアシストも同じく標準装備している。
さらに、以下の運転支援システムが装備される(一部モデルにオプション設定)。 ドライブパイロット(自動運転につながる技術)、アクティブレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットアシスト、トラフィックサインアシストなど。ただし、これらの装備の一部は、まだ「ユーロNCAP」テストの評価対象となっていない。
アクティブセーフティおよびパッシブセーフティを高度に一体化したのがPRE-SAFEシステム。路上の危険な状況を検知し、事故のおそれがある場合に予防機能を起動して乗員を保護するもの。
新型E クラスにはさらに、PRE-SAFEインパルスサイドが初めて設定されてい。このシステムは、差し迫った側面衝突のリスクを検知した場合に、ドライバーまたは助手席乗員を予防措置として危険ゾーンから横方向へ遠ざけ、クルマの側面に事実上有効なクラッシャブルゾーンを生み出すもの。
もう1 つ新たな装備として、PRESAFEサウンドがあ。衝突発生の直前に音を発し耳内部に自然に備わる保護の反射を引き起こして、事故時の大きな音に耳を備えさせることで、聴覚障害のリスクを軽減するもの。
メルセデス・ベンツは、子供や歩行者、自転車など交通弱者の保護にも重点を置いているという。新型E クラスに採用しているアクティブボンネットは事故の際、ボンネットを80mm 跳ね上げることで歩行者の衝突を軽減する装備。さらに、アクティブブレーキアシストは、速度の遅い車両や減速中および停車車両のほか、自車前方の危険な範囲を横切る歩行者も検知し、自動ブレーキを作動させて衝突回避をサポートすることができ。このような装備を搭載した新型E クラスの卓越した歩行者保護性能は、法律の規定をはるかに上回るものとなっている。
新型E クラス セダンが「ユーロNCAP」で獲得した高い評価は、メルセデス・ベンツの統合的な安全思想の賜物といえる。すなわち、格付け要件のみを重視するのではなく、独自に行っている事故調査の結果を活かし、法律で求められる水準を上回る社内テスト基準や判断基準を策定していることだ。
新型モデルというと走行性能や快適性能に目が行きがちだが、高い安全性が大きく進歩しているという重要な点にも注目してクルマを選びたいものだ。