三菱自動車は10月20日に開かれた緊急記者会見において、日産自動車からの2370億円の出資完了を受け、日産が三菱自の発行済み株式の34%を保有することとなり単独筆頭株主となったことを発表した。これにより三菱自はルノー・日産アライアンスの一員となる。今後はアライアンス内でのシナジー効果を出すために多岐にわたるプログラムを開始していく予定。具体的には三菱自のプラグインハイブリッド技術、ルノーのディーゼル技術、日産の自動運転技術などの共有による共同開発、共同購買コストの削減、収益性の向上などが挙げられている。
なお、人事については三菱自の益子修会長兼社長が留任となり、日産のカルロス・ゴーン最高経営責任者が取締役会長候補に選出。年内の株主総会を経て就任する運びとなる。今回の人事についてゴーン氏は、「益子さんは何度も責任を取って退任したいと言っていたが私が留任を強く要望した。これはアライアンスを実現するために重要な条件だった。益子さんとは長年にわたって協力してきたし信頼できる人物。益子さんの個人的な感情を犠牲にしてでも三菱自の最大の利益、アライアンス全体の最大の利益のためにお願いをして残ってもらった」と語った。益子氏は「新体制発足後は新しい人に経営をやってもらうつもりでいたが、ゴーンさんから三菱自の独立経営、信頼回復などの取り組みのためも残って欲しいと再三にわたって要請された。経営責任の取り方についての批判はあると思うが、三菱自の再建に向けてもう一度気持ちを奮い立たせて取り組むことにした」と語った。