横浜ゴムは、米国ノースカロライナ州にタイヤ研究開発センターを新設し、9月からシャーロット地域で研究開発活動を開始するという。現在横浜ゴムは、北米向けタイヤの研究開発活動を米国の複数の州と日本に分散して行っているが、こうした活動を近く新研究開発拠点に集約する。研究開発活動の集約によって研究開発体制がより強化され、市場に適したスピーディーな新製品投入が加速される。また横浜ゴムは今回の研究開発活動機能の統合に伴い、北米の研究開発スタッフを現状の約2倍に拡大する計画だそうだ。
新設するタイヤ研究開発センターは、当初消費財タイヤの設計から開始するが、その後順次、生産財タイヤの設計、試験・評価、技術サービス、品質保証などまで業務範囲を拡大していく計画。ハブ空港があり、質の高い人材確保が容易などの理由からノースカロライナ州への進出を決めた。今後、研究開発活動の拡大に応じ研究設備に対する更なる投資を視野に入れているという。
現在、横浜ゴムは北米においてタイヤ生産拠点をバージニア州とミシシッピ州、米国子会社本社をカリフォルニア州に置き、乗用車用、トラック・バス用、建設機械・産業車両用タイヤを販売している。横浜ゴムは中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」フェーズⅣ(2015-2017年)において大需要地域である北米を重要市場と位置づけており、従来以上に新車用、補修用タイヤの販売を強化する方針。北米での研究開発機能の強化は、こうした経営戦略の一環として行うものだ。
横浜ゴムでは「地産地消」をテーマとして市場に近い地域でのタイヤ研究開発活動を強化している。すでに2006年にドイツに「ニュルブルクリンク・テストセンター」、2009年4月にタイに「タイヤテストセンターオブアジア」、2012年1月に中国に「優科豪馬中国技術センター」を設立しているが、米国のタイヤ研究開発センターは機能・人員数で海外最大の技術開発拠点となるそうだ。