トヨタの子会社で、米国において人工知能等の研究開発を行うToyota Research Instituteは、本日米国カリフォルニア州ソノマでTRIが開催したイベント「プリウス・チャレンジ」において、TRIが手がけた新たな自動運転実験車を展示・公表した。この実験車は、日本での技術開発に加えて米国でもトヨタが12年間にわたって取り組んできた自動運転技術の研究開発をさらに推し進めるものであり、今後、自動運転の様々な可能性を模索するべく、TRIでの実証研究に使用されるという。
今回の実験車は、2013年の米国家電見本市「CES」で公表した自動運転実験車を改良したもので、ベース車両であるレクサスLS600hLのドライブ・バイ・ワイヤ技術のインターフェースを実装。センサーの付け替えなど柔軟に改良を加えることが可能な実験車両とした。
また高い演算能力を備え、マシンビジョン（ソフトウェアも含めた機械による周辺認識システム）や機械学習能力も強化。当面は高精度の地図情報が存在しないエリアでも自動運転を使用することも想定されるため、高精度地図に過度に依存しないシステムも構築するために今回の実験車ではライダー（光検出・測距）、レーダー、カメラなどのセンサー能力を拡充しているそうだ。
今後TRIでは、実験車の走行試験から得られる技術データを蓄積し、「ショーファー」（完全自動運転）と「ガーディアン」（高度運転支援）の研究開発に役立てていく。
この実験車は、TRIが手がけた初の自動運転実験車のプラットフォームとして、これまでの自動運転研究の成果を織り込んでおり、ドライバーの運転習慣を学ぶだけでなく、データ収集やコネクティッド技術の進展に応じて他の車両から共有される情報を活用するなどして、徐々に賢くなっていくという。
自動運転の進化のために開発された実験車。どれほど賢いのか実際にその走りを見てみたいものだ。
