マツダ・ロードスターに2Lエンジンが搭載されたホットモデルが待望のデビューを果たした。マツダ スピリット レーシング ロードスター(以下、ベースモデルと表記)を名乗る同車は限定2200台で526万5700円、さらに特別チューンが施されて最高出力200psを達成する同12Rは限定200台で761万2000円。どちらも予約受注は10月24日に始まり、26年1月上旬に発売される。
12Rは公式アプリを通じて商談予約抽選の受付が明日(10月5日)14時から10月20日の23時59分まで行われるので、購入希望者はエントリーが必要となる。(ベースモデルは先着順の販売)
ベースモデルに搭載される2LスカイアクティブGは184ps/205Nmで、車重は1070kg。サーキット走行を楽しめるよう、ブレーキオーバーライドを解除するとスピードリミッターも一時的にカットされる(エンジンOFF後は復帰)。また、レブリミット直前まで出力を絞らず走行できる制御、減速時のヒール&トウ操作時にエンジン回転上昇をアシストする制御などが織り込まれている。
スーパー耐久レース参戦車のゼッケン番号に由来して12Rと名づけられた車両では組み立て時に研磨が行われ、吸気ポート変更、カム形状の変更、フジツボと共同開発された4-1排気(ベースモデルは4-2-1排気)のエキマニが与えられる。
足まわりではレイズ製の専用鍛造ホイール、NR-Aに採用済みのビルシュタイン製ダンパーが専用チューンされた上で用いられる。ストラットタワーバーも装備。
エクステリアにはエンブレム付き専用グリル、ニュルブルクリンクでのテスト走行で最適な形状に仕立てられたエアロパーツが目を引き、12Rはボンネットフードに専用デカールも採用。
内装ではステアリングホイール、シフトレバー、パーキングブレーキレバーがアルカンターラで制作されて質感の高さがもたらされる。同じくインパネとドアトリムにもアルカンターラを採用。
レカロと共同開発されたシートはベースモデルがセミバケット形状、12Rがフルバケット仕様。
サーキットでのスポーツ走行に適した用品としてフジツボ製チタンスポーツマフラー、ヨコハマのアドバンNEOVA AD09なども販売される。
開発主査の齋藤茂樹さんは「2019年に主査を拝命した時から、2Lソフトトップが欲しい!との声は多かった。しかし、現行ND型を発表した際、国内仕様に2Lエンジンは載せないと宣言したため、撤回するのは難しかった」とした上で「マツダスピリットレーシングから出せばウソにならない」と導入の経緯を説明した。
開発については「サーキットやレースに長けたエンジニアを集めたが、個性の強い面々で各々の主張が強くて時間がかかった(笑)。そのぶん、最高にいいものができた」と振り返った。
マツダ スピリット レーシングの代表を務めている前田育男さんは、モータースポーツの知見を生かしたクルマであることを説明し、今後の展開については「今回のロードスターで終わりではなく、将来いろんなクルマに展開していきたい」として、他のモータースポーツにもチャレンジしていく意気込みを語った。
https://www.mazda.co.jp/cars/mazda-spirit-racing-roadster/