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【BMW・X3】
無国籍のベンチマーク
4代目BMW・X3は昨年6月に発表されて2025年モデルから生産が始まった。生産は米国、南アフリカ、中国であり、インドネシアとマレーシアでもKD(ノックダウン)組み立てが行われる。欧州生産はなく、商品企画には米国も参画し、中国では専用のロングホイールベース版「X3L」が華晨汽車との共同プロジェクトで生産されている。ブランドはドイツだが、ある意味で多国籍対応、つまり無国籍風味を持たせた商品と言える。本紙評価陣は「全体の出来はいいし、良くできたアメリカンSUVの雰囲気もある」「ベンチマークになり得る」と評価した。
ドイツ製ではないBMW
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) BMWの米国生産SUVだ。X3としては4代目に当たる。Xシリーズの元祖は、かつてBMWがローバーグループの親会社だった時代に、当時の5シリーズをベースにランドローバー部門が開発したX5だ。1999年秋の発表だからすでに26年前のことだが、あのころBMWはSUVを持っていなかった。X5に続いて3シリーズのボディをベースにした初代X3が2003年秋に発表された。X3もこれまでに22年間を過ごしてきた。その最新モデルだ。日本仕様の発表は2024年11月、納車は年明けから始まった。すでにメディアでは何度も取り上げられているが、我われの試乗は今回が初めてだ。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) 皆さんに乗ってもらったのは2ℓ直4ディーゼルターボに出力8kW(11 ps)の小型モーターを組み合わせたMHEV(マイルドハイブリッド車)だ。グレードは「20 xDrive Mスポーツ」で、車両価格は、発売時は税込858万円だったが、2025年4月以降の生産から税込868万円になった。タイヤはミシュランのe・プライマシーで、サイズは245/50R19を履いている。
元部品メーカーのエンジニア(以下=部) ボディサイズは、2代目X5よりはやや小さいのですが、初代X5よりも大きいです。セダン系の3シリーズと5シリーズのヒエラルキーをそのまま踏襲すれば、自然とこういうボディサイズになります。先代X5との比較ではほぼ同じです。「デザインしろ」の分だけ少し膨らんだ程度です。ホイールベースはBMW本国発表資料で1㎜の差ですから先代とは誤差の範囲です。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) 日本仕様は2ℓ直4ガソリン/ディーゼルと、3ℓ直6ガソリンの設定で、すべてAWD(オールホイールドライブ=4輪駆動)の「x Drive」だ。直6ガソリン仕様だと車両価格は税込1008万円。日本が財務省の緊縮財政のせいで貧乏を続けている間に、アメリカも欧州も、中国も東南アジアも裕福になった。しかも、ほぼ全通貨を相手に円安だから、アメリカで6万8000ドルのクルマが日本では1000万円になってしまう。
自動車業界の事情通(以下=通) ここまで日本の産業競争力が落ち込んだのは、政治というよりも官僚組織の失態だ。どの省庁も財務省のいいなりで金を出し渋った。官僚はいまだに一人で何度も民間の天下り先を渡り歩きながら優雅に暮らしている。企業は官僚出身者をありがたがるのを止めるべきだな。トランプ政権との関税交渉でも官僚組織はロクな策を考えない。関税を支払うのは結局のところ民間企業だから、財務省は知らん顔だ。
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