スクープ!
明日8月1日から
整備•修理事業者と損保の協定「目安箱」
実名提供で個別事案を当局が照会可能に
「協定」の困りごとを受け付ける事業者向け目安箱。昨年7月に開設以降、板金塗装事業者、整備事業者から「たくさんの投稿が寄せられている」(事情通)。国も想像以上の反響に驚いているようだ。
「目安箱」は、事故修理協定における損保と事業者の軋轢を緩和し、協定の透明性を高めるために国交省物流•自動車局整備課が、金融庁、中小企業庁、公正取引委員会と連携して取り組んでいる「協定ウォッチング」の一環だ。
その「目安箱」、現状では個人情報保護の観点から損保への情報開示は匿名で行われている。匿名のままでは損保側に「対等な交渉」を促す注意喚起はできても、個別案件解決のための実効性は期待できない。
そこで明日8月1日から、投稿フォーム内にある「個人情報開示を認める」項目に「レ点」を入れて、具体的な不適切事案を送れば、当局が個別案件について当該損保に照会してくれることになった。
これは大きい! 当局による個別事案の照会は、損保個社にとっては大きな「圧」になるだろう。
損保にとっても東京の本社が地方の支店支社に「透明性のある協定」を求めても、営業成績とコンプラの狭間で、日車協連と妥結した協定工賃上げが守られていなかったり、協定が不調のままで放置されるような実態を掴めず、社内での指導が行き届いてこなかった案件の改善が可能になる。
まさに目安箱への投稿実名共有「可」は、修理事業者にとっても損保にとっても「協定透明化」に資する手法になり得る。記者も大いに期待したいものだ。
なお、事業者向け目安箱の宛先リンクは、大半の整備システムのお知らせに掲載されている。日車協連の本支部や各地の運輸支局などに問い合わせても教えてもらえる。
取材 文/神領貢(マガジンx編集長)