損保ジャパン(白川儀一社長)が揺れている。特に昨年7月、競合する東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険に抜け駆けする形でビッグモーター(BM社)との事故修理「入庫紹介」を再開したことが批判の的になっている。同社は入庫紹介を1カ月ほどで再び停止したが、再開の経緯は不透明なままだ。
本誌が発売される頃には事業会社の親会社である「SOMPOホールディングス(櫻田謙悟会長)」主宰による特別調査委員会の結果が公表されているはずだ。BM社の兼重宏行前社長との窓口だった中村茂樹専務(当時=現常勤監査役)の行動と、彼の報告を聞いて入庫紹介再開を決めた白川社長らの行動が明らかになることを期待したい。
添付は今年の夏、損保ジャパンが系列の代理店各社に送付した「ビッグモーターの不適切な修理費用請求に関するお客様対応」と題した通達文だ。「再協定」は当然だが、「再修理をBM社に依頼するお客はいないだろう」(事情通)は当然だ。損保ジャパンとBM社には、加入者本位の対応と、丁寧かつ詳細な説明が求められる。
取材・文/神領 貢(マガジンX編集長)