トヨタ車のサブスク事業を展開しているKINTOが新サービス「KINTO Unlimited」を発表した。
これまで新技術を手に入れるにはクルマを乗り替えるしかなかったが、この新サービスでは購入後に発表された新しい技術をアップグレードというカタチで所有車に反映できる。そのため、KINTO専用グレードには配線や取り付け部材があらかじめ装着されたアップグレード・レディ設計をトヨタ初採用。シートやインパネを取り外すことなく、デバイスを加えるだけで機能をアップグレードできる。例えばブラインドスポット警告は後付けに13時間を要するところが3時間で済むという。
全国どこの販売店でも施工可能で、アップグレード代金は一括払いもしくは月額料金への上乗せから選べる。なお、ソフトウェアの更新はOTA(通信)によって行われる。
もうひとつはコネクティッド分野の新サービスで、ステアリングやターンシグナルなどの操作データを元に運転診断を実施。それを受けて燃費向上策のアドバイスや安全装備の追加提案が専用アプリを通して行われる。また、エンジンオイルの劣化を把握できる技術により、クルマの使用状況に合わせて交換のタイミングが提示される。
KINTOの小寺信也・社長は「この新サービスによって車両の価値が落ちにくいため、サブスクの月額利用料を引き下げることができる。新型プリウスから導入予定で、通常のサブスクと比べて10%ほど安く設定できそうだ」と説明した。一方、KINTO利用者は累計で5万2000件を超えたものの「想定していたよりも普及のスピードは遅い。最大の理由は、まだ消費者が『クルマは購入するモノ』という価値観を抱いているから」と語った。