12月12日、自動車関連の組合で作る自動車総連(金子晃浩会長)の会見に参加してきました。来年度の「生活改善の取り組み」、いわゆる春闘では、今年度以上の給与上げ、組合の7割を占める中小零細企業の全体底上げ、非正規社員の待遇改善、若年層の報酬上げでワリを食っている中高年層の配分見直し、さらに年間休日増にも取り組むとします。
金額ベースでは、今年度の「12000円」から「12000円以上」を目指します。
以下は会見の要旨。
金子会長
動きだしを早めにすることで、気運醸成を進めたい。第6回中央執行委員会を開催した。
2019年に「絶対額を重視した取組み」に転換した。
賃上げが物価高に追いつかない。昨年、中小は1.2万円の目標を掲げた。結果として平均9600円を獲得した。
世間の求める水準感に達したのか。実質賃金増に達していなかった反省がある。生活改善の実感に乏しい。賃上げが十分でないが故に、生活棄損を改善する。
DX.GXを進める。自動車業界は国際競争に必死に取り組んでいる。人材確保に向け組合としてやるべきことをやる。中小をしっかり支援する。内需を拡大する労働界としてできることがある。
実質賃金をあげる。四年目にして大きなミッション。
中小組合を念頭に、引き上げ額1.2万円以上を昨年同様にやる。組合員にとってどれくらいのベネフィットを提示できるか。底上げが社会全体がベネフィットを同等に享受する。
もうひとつは休日増。2年目の取り組みだ。
「グッドサイクル運動」。中小零細企業の価格転嫁の取り組みを強化する。いい社会に向かって協力してやっていきましょう。「格差拡大防止」に取組む。
質疑応答。
Q 大企業はどうするのか?
A 考え方は変わっていない。
Q 企業間の業績はまだら模様になっている。「全体底上げ」はなかなか難しいのではないか。
A 厳しいことは認識している。が、現実として組合員が生活に困っている。その点は経営者は分かっている。
Q1.2万円の目標について。
A 昨年を下回る理由はないので「以上」にこだわる。
Q 世代感の格差がある。
A 産別としての配分まで言えないが、若手に多く配分して、割りを食う人が出てはいけない。
Q年間休日について
A サプライチェーンの中で一社だけが突出できないのは事実。コツコツでとも持っていけるようにしていく。
Q 経営側と危機感を共有するとは?
A ガソリン税の暫定税率が廃止が決まった。51年ぶりのことだ。組合を結成した1972年以来、暫定税率廃止を言い続けてきた。内需拡大は必要。全ての組合員の実質賃金を上げる。
Q 外部環境は昨年度より悪化している。
A 複雑な経営環境であることは認識しないといけない。賃金は中長期を見据えて取組むべき。3年間の物価高で組合員の生活が棄損している。4年目は厳しいけど、実現にこだわる。78万人の仲間と支え合いながらやっていきたい。それぞれの単組の状況見ながら12労連に頑張ってもらう。
「1.2万円以上」を単純に並べないで欲しい。マインドを喚起するようお願いします。ちなみに12月12日は「バッテリーの日」です。
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)










