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速報!
保険使った修理事故修理協定の実態ガラス張り化へ
国交省主導で「協定ガイドライン」示す
国交省物流・自動車局整備課(以下、整備課)が動いた。令和6年度予算に「修理工賃の実態調査費用」を盛り込んでいたのは、読者の皆さんご承知のとおりだ。
- 事故修理時における標準作業時間の実態を調査する。
- 工賃単価交渉の好事例を調査する。
としか公表された資料には記されていなかった。昨年来、記者は整備課の担当者に「自研センター指数を使った損保と保険加入者による協定のあり方の改善に踏み込むべきだ」と主張していた。これに対して整備課の関係者は「協定に関わる実態を必ずガラス張りにする。それまで待っていて欲しい」と言われていた。
待つこと半年。3月4日、整備課はついに「車体整備事業者による適切な価格交渉を促進するための指針」を発表したのだ。
- 令和6年7月以降、すでに車体整備事業者からの「情報提供窓口」が設置され、情報収集が進められてきた。作業単価の見直し、労務費の転嫁などについては、金融庁、中小企業庁、公正取引委員会とも連携して、課題解決に向けて取り組んでいると聞く。
- 適切な価格交渉を損保と行うための指針(ガイドライン)が策定された。指針の概要は添付の通りだ。ガイドラインが遵守されれば、現在の損保会社主導の協定も変わってくるだろう。一方で、修理事業者、保険加入者も妥当な修理のあり方について勉強することが求められる。
- 標準作業時間について令和7年度以降調査を始める。国交省が第三者的立場から調査を行うことで、損保の息のかかった自研センター指数があくまでも「目安」であることを確認し、保険金を支払う立場の損保による独断専行に歯止めがかかることが期待される。自研センターそのものについても損保が過半を出資している設立の経緯、東京海上OBが歴代社長を務める実態、さらには国産車メーカーが発売前の車両を無償提供している事情などが明らかにされるはずだ。指数算定の実態についても客観性を担保する仕組みが構築されることを望む。
東京海上の社長が会長を務める損保協会長による定例会見が3月21日に予定されている。記者はこの場で「今後の開かれた協定のあり方」について損保業界の姿勢を問うつもりだ。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000334.html
取材・文/神領 貢




