【インド・モーターショー】まさにカオスなプレスカンファレンス:

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日本を抜いて世界第3位の自動車市場になったインド。人口世界一の同国はまだまだ四輪車の新規需要が期待できる有望市場である。そんなインドの熱気ある新車市場と同じように熱いものを感じたのが地元インドメディアの様子。


一般的な自動車ショーでは、開催初日もしくは開催前日にメディアのみが会場内に入って取材活動ができるメディアデー(プレスデー、報道招待日など名称はさまざま)が用意されている。その日はメディア関係者が自由に各出展ブースを取材することができるのも原則なのだが、「バーラト・モビリティ・グローバル・エキスポ2025」の一部として開催されている「第17回オートエキスポ」では、プレスカンファレンス開始までブース内に入れない措置を取る出展ブランドが大半だった。ほかの国のショーでも同様の措置を講じるブースはあるが、ごく一部である。さらに今回はカンファレンス開始10分前など、ギリギリのタイミングに開場したブースも多く、開場と同時にできるだけ前の席を確保しようと、ダッシュするメディア関係者が目立った。

しかし、できるだけ前の席を確保すればそれで「よし」とならないのがインド流。席が埋まると、席の両側で立ち見するメディアが増え、さらにカンファレンス直前になると、席の隙間に入り込んでそのまま立ってステージ撮影を試みるメディアも出てくるのだ。隙間を狙ってはまさに文字通りで、端の席で正面ではなく横を向いて知り合いと話している間に、足元に知らないメディアが立ってカメラを構えていることもあった。
また、最前列は登壇する当該メーカー幹部などのVIP席になっているのが一般的だが、VIPの前に座り込むならまだしも、立っているメディアも。主催者側も慣れたもので、よほど邪魔にならない限りは黙認しているようだった。

カンファレンスが始まると、まずは登壇者のスピーチが始まり、それが終わると舞台で布を被っていたモデルのアンベール、もしくは舞台奥や横から初披露モデルが登場する。こうなると会場総立ちで大混乱の中、車両撮影が始まる。もちろん座ったままではステージで何が行われているのか、わからなくなる。後方で一段高いところに三脚を立ててカンファレンスの様子を撮影していたムービー部隊もすでに撮影困難に。
まあ、インドに限らず、このようにカンファレンスがカオスになるのは新興国の自動車ショー“あるある”だが、少し殺気じみた部分もあるのがインドならではとも言えよう。

かくいう筆者(編集K)も「これは酷いな」と傍観していては仕事にならない。前から3列目の席でも、メインの新型車が出てくれば後方のメディアのことなども考えずに立ち上がって撮影したり、ステージ近くまで駆け寄って撮影している。まさに「郷に入っては郷に従え」なのだ。

ただ、それでも約10年前に初めてインドの自動車ショーに行った時に比べると改善されたように思える。インドの経済成長とともに、社会も確実に変わってきているのだなあと、ショー会場で感じた。

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