2024年12月号『ざ・総括。』BEV市場はどうなる?の記事がnoteから購入できるようになりました

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マガジンX 2024年12月号(10月25日発売)に掲載された『ざ・総括。』BEV市場はどうなる?の記事をnoteにて税込300円で購入できるようになりました。以下は無料公開の冒頭部分です。続きを読みたい方はその下のリンクからご購入ください。

【BEV市場はどうなる?】

いまの自動車業界は「ガマンのBEV」状態

先ごろ開催されたパリサロン(パリ開催の国際自動車ショー「パリモーターショー」の通称。正式名称MONDIAL DE L’AUTO)には、欧州と中国のOEM(自動車メーカー)が新しいBEV(バッテリー電気自動車)を揃えてきた。欧州勢は「いままでどれだけBEVに投資したことか…。このままでは終わらせない」とヤル気満々だ。中国勢はEUによる追加関税の行方が決着しない中でも売る気を見せた。しかし、今年に入ってからOEM各社はBEV投入計画を後退させた。補助金を付けなければ売れないのだ。「何のためのBEVなのかという根本の理由が無視されている」と本誌評価陣。電力が足りないのも日欧米共通。OEMの苦難はまだ続くだろう。

米国勢はICVを売る

エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) JAMA(日本自動車工業会)は何でパリサロンと同じ時期にJMS(ジャパン・モビリティ・ショー)をぶつけてきたのだろうか。ショーの名前はJMSビズウィーク2024で、主催のJAMAは「移動だけでなく、社会課題の解決や新しい価値を創造し、豊かで夢のあるモビリティ社会を創りたい」という想いのもと、さまざまな仲間が集まって未来を提示する「共創プラットフォーム型イベント」だと説明していた。「スタートアップと既存のものづくり企業を結びつける」という触れ込みで、出展募集が開始されたのは6月21日だった。同じ会期(10月15〜18日)となる電子情報技術産業協会主催のCEATEC(シーテック)に間借りした形だ。

チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) OEMと大手サプライヤー(部品・資材の供給企業)は知っていたのだろう。パリサロンには日系OEMはあらかた欠席だったらしいが、JMSには、一応は参加している。

部品メーカーのエンジニア(以下=部) 海外モーターショーへの「欠席ごっこ」は、どこそこのOEMが欠席したとか、その仕返しで今度はどこそこのOEMは東京ショーには出ないとか、そのレベルです。この10年以上、コストの掛かるモーターショーには出展しなくてもいいんじゃないかというムードがあちこちのOEMで見られましたが、日系OEMについては本当にそれでいいのかなぁと思います。いま、この時期だからこそ、BEVではなく現実解としてのHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ビークル=ハイブリッド車)をアピールすべきです。出展費用はバカになりませんが、あまりに寂しすぎます。

自動車業界の事情通(以下=通) 向こうの仕事関係者からいろいろ資料を送ってもらったが、欧州勢の新型車はあらかたBEVだった。とくにフランス勢がひさびさに意欲的だった。これまでパリサロンを欠席していたドイツ勢も出てきた。フランスは電力の7割以上を原子力でまかなっているから、BEV普及という点で現状では理想的だ。原子力は1日〜1週間単位での出力調整はしないが、欧州は国をまたいだ送電網があるから、足りなくなったら他の国から電力を買えばいい。

ベテラン実験ドライバー(以下=T) 元・本誌編集長のM氏から教えてもらった「ELECTRICITY MAPS」というウェブサイトがある。ここは3時間遅れくらいのタイムラグで各国の電力消費、発電方法別発電比率、国をまたいだ電力移送状況を表示している。欧州だとポーランドがつねに石炭火力で発電し、となりのドイツやチェコに売電(売る)している。そのドイツはフランス、オーストリア、スイス、デンマーク、スウェーデンなどから買電(買う)している。原発を止めて、さらにロシアからの天然ガスも入ってこなくなったドイツは毎日大変だ。BEV補助金を止めたとたんにBEVが売れなくなったのもよく分かる。

 いまやドイツは人件費もエネルギーも水道も高い国です。だからドイツのOEMはドイツから出て、スペインやチェコで自動車を製造しようとしているわけです。2024年のGDPは2年連続のマイナスになると言われています。

 で、本日はゲストをお招きした。以前にもゲストとして参加していただいた技術調査のベテラン、Fさんだ。ありがたいことに、現状で各OEMが当面のBEV展開をどうするのかをまとめた資料をもらっている。順を追って見ていこう。

技術調査のベテラン(以下=F) さっそく始めましょう。まず米国からですが、GMとフォードは大型SUVとピックアップへのBEV投入をほぼ凍結します。中型SUVも一部凍結のようです。ミシガン州デトロイトでのサプライヤー会議でGMは、2030年代もICE(内燃機関)部品を発注すると明言しました。また、現地では報道されていますが、GMは2026年モデルから順次PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)を投入します。

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