テラチャージの最大出力150kW急速充電器がコジマ×ビックカメラの店舗駐車場に設置

電気自動車（EV）向け充電サービスを展開するテラチャージ（旧テラモーターズ）は、同社の充電サービスで初となる最大出力150kWの急速充電器（1基1口）をコジマ×ビックカメラ足立加平店の駐車場に設置して6月3日（月）よりサービスを開始。また、6月4日（火）には高井戸東店でもサービスを開始した。
テラチャージでは2022年4月からEV充電インフラ事業に新規参入して、既存のマンションなどの共同住宅に対して電気工事等の初期コスト無料で設置を開始しており、2024年5月1日現在では1803箇所／4356口の普通充電器を設置している。なお受注数は2023年12月末時点で2万5000口と国内トップクラスとなっており、日本のEVシフトに欠かせない自宅（共同住宅）での基礎充電の整備を今後も進めていく予定だ。
それと同時にテラチャージでは、移動中の経路充電で重要となる急速充電についても昨年9月に「急速充電器1000基無料導入プラン」を発表。まずは東京都内にあるガソリンスタンド数と同等数となる1000基を東京を含む全国を対象に設置する計画となっている。しかも最大出力150kWという超急速充電器を設置することで、例えば一般的に普及している50kW器と比べた場合、EV側の受電能力や電池残量、気温などの諸条件にもよるが、150kW器であれば充電時間を約6割に短縮できる。つまりガソリン給油と同等の感覚でEVを充電できる環境を整えようとしているのである。その第1号機がコジマ×ビックカメラ足立加平店に、第2号機がコジマ×ビックカメラ高井戸東店に設置されてサービスを開始した。今後は2024年度内に100基（100口）を設置する計画となっている。
急速充電器の存在は経路充電だけでなく、例えば機械式駐車場など自宅での充電器の設置が難しいユーザーにとっても、短時間で充電できる高出力の急速充電器が近所にあることが重要となってくる。東京都の場合はとくに機械式駐車場が14万7987基と多く、全国にある機械式駐車場の約25％にもなっている。しかし機械式駐車場の装置内で充電する場合、車体から飛び出してしまう充電プラグや充電口の蓋などの寸法についても考慮する必要があるため、通常サイズのパレットではスペース確保が難しく、EV充電器の設置がなかなか進んでいないのが実情である。テラチャージでは超大型LLサイズのパレットを採用するあなぶきグループの「ヨコイ」と提携して機械式駐車場にテラチャージのEV充電器を設置するプランも提供しているが、すべての機械式駐車場に充電器を設置することは事実上不可能である。そのため超急速充電器の設置は機械式駐車場を利用している人の基礎充電としても重要なのである。
なお、今回テラチャージの急速充電器が設置されたビックカメラグループが運営するコジマ×ビックカメラでは、急速充電器の設置には高圧受変電設備が必要となるので必ずしも150kW器とは言えないが、都内にある残りの8店舗についても年内に急速充電器を設置する予定だという。コジマ×ビックカメラではすでに全国141店舗（4月末現在）のうちの20店舗に38口の充電器を設置している（普通充電器が18店35口、50kW器が2店2口、150kW器が2店2口）。コジマ×ビックカメラでは「みらい応援店舗」を同社の重要スローガンのひとつとして掲げており、EV用充電器の設置もその一環だ。同店の駐車場にEV用充電器が設置されることでEVユーザーにとっての利便性向上や来店促進が見込まれ、ライバル店との差別化にもつながるものと考えている。
なお、今回設置された150kW急速充電器は「Terra Charge（テラチャージ）」モバイルアプリからの利用となり、アプリ上で料金決算（クレジットカード）も可能。利用料金は1分あたり税込90円、最大60分までの利用が可能だ。駐車料金は無料。当初の計画では充電した電力量に応じた従量課金制になる予定だったが、まずは時間課金で開始して2025年以降に従量制に移行する予定とのこと。

■コジマ×ビックカメラ足立加平店