日産はスカイラインNISMOおよび同リミテッドを限定発売し、9月4日からデリバリーを始める。税込み価格と販売台数はNISMOが788万0400円(1000台)、NISMOリミテッドが947万9800円(100台)。
最大のポイントでもある3Lターボエンジンはスカイライン400Rより15psアップの420ps、7.7kgーmアップの56.1kg-mにチューンナップ。ドライブモードやサスペンション、スタビライザー、ブレーキにも専用チューンが施されている。例えば前輪サスペンションのスプリングはバネ定数を4%アップ、後輪スタビライザーの定数も44%アップ。
このパワーをしっかりと発揮するために後輪タイヤは20mm拡幅され、専用開発された高性能タイヤとエンケイ製19インチホイールを履く。セダンでは珍しい前後異サイズだ。
外観では前後バンパーとサイドシルカバーが専用設計され、空気抵抗を減らしながらダウンフォースを向上させている。フロントフェンダーに装着された赤バッジを思い起こさせるGTエンブレムは、往年のスカイラインを知るファンの心に刺さるに違いない。また、サイドシルから後輪を超えてリアバンパーに至るプレスラインは懐かしのサーフィンラインにインスパイアされたモチーフだ。
インテリアはブラックで統一され、赤いセンターマーク入りの専用ステアリングホイールが装備されている。さらにレカロシートとカーボン化粧パネルを選ぶこともできる(58万9600円高)。
限定100台のNISMOリミテッドは初めて6気筒エンジンが搭載されてGTを名乗ったS54A型(2代目)スカイラインGTが来年誕生60周年を迎えるにあたって企画された記念モデルで、特別な資格を有する匠が手組みした高精度エンジンを搭載。組み立て担当者の名前が記されたラベル、シリアルナンバープレート、ツヤ消しガンメタ塗装ホイールなどが採用される。こちらは9月4日の午後3時まで公式ウェブサイトで抽選へのエントリー受付中である。
今回アンバサダーを務める星野一義さんは発表披露会に先がけて試乗し「後輪タイヤのワイド化でグリップ力と安定感が高まっていることを実感した」と感想を述べた上で「ヒール&トウを行えるMTがあったらいいな」と語った。
星野さんがレーシングドライバーとして活躍したことは有名だが、18歳で運転免許を取得してスカイラインを買った思い出を懐かしそうに語った。「当時は値引きにも興味なく、スカイラインの魅力に惹かれて欲しいと思って買った」そうだ。レースで一番印象的だったスカイラインは?との質問に対しては「R32型。初めて4WDと聞いた時はラリーじゃあるまいし、と思ったが、サーキットで乗って性能にビックリした」のだとか。
現在はチームインパルの監督を務めていて昨年は日産Z GT500でシリーズチャンピオンを獲得した。日産がシリーズチャンピンを獲得したのは7年ぶり。
その星野さんにスカイラインNISMOの第1号車が贈呈された。キーを受け取った星野さんが「金メダルをいただいた気分。日産が僕を育ててくれた。これからもGTでチャンピオンを取るために、残りの人生も日産とスカイラインで頑張っていきたい」と意気込みを語ると、場内は拍手に包まれた。