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来年4月、トヨタが部品共販34社と
タクティーを統合。幹部は戦々恐々
トヨタ自動車は、来年5月に予定しているトヨタ系列販売店の全車種全店販売化に合わせ、全国ネットワークで系列販売店や整備業等に部品供給を行っているトヨタ部品共販34社と、オイル、タイヤ、ケミカルなど補修部品・用品の卸元であるタクティー(名古屋市・新井範彦社長)を経営統合させる。タクティーはトヨタが80%、デンソーとアイシン精機がそれぞれ10%ずつを出資している。カー用品チェーンの「ジェームス」の運営もタクティーだ。一部報道に加え、マガジンXでは詳細をつかむことに成功した。
新会社設立は、系列販売会社における全店全車種販売がスタートするのに歩調を合わせる形で2020年4月と決められた。合併後の名称は今後詰めるが、「トヨタ自動車部品販売」などが候補に上がっている。全国を網羅している独立会社はすべて統合され、新会社の「支社」の位置づけとなる。新会社の本社はタクティーの本社がある名古屋市内が予定されている。存続会社がタクティーとなる場合は、タクティーの現本社が新会社の本社となる可能性もある。
部品共販各社とタクティーを統合することの狙いはこうだ。トヨタ系列の販売会社が全車種全店販売に移行するにあたって、日常の部品調達において系列販売会社への利便性を高めることや卸売価格の平準化が可能になる。さらにメーカー、部品卸し、小売りの一連の流れをシンプルにすることで、国内販売政策の一貫性を確保することが狙いと見られる。系列販売各社の統合や拠点の統廃合を見据えて、部品共販各社の拠点削減も視野に入れられている。
事情通はこうした背景について、「全国に34社あるトヨタ部品共販各社はそれぞれの地域で地場資本と協業してきた歴史があり、社風も違えば、給与体系や労務条件も異なる。これらを一本化した上で、高齢化・硬直化する組織のコスト削減と若返りを狙っている」と話す。
独立会社から地方支社になることで、管理部門の人件費削減が可能になることから、部品共販各社の経営陣、役職者からは早くも「俺たちの生活はどうなるのか?との不満と不安の声が聞こえている」ということだ。
なお、トヨタのコメントは以下のとおり。「100年に一度と言われるこの大変革の時代に、より地域に根差した新たなモビリティサービスを提供できるよう、販売ネットワークの変革に取り組んでいる。部品・用品の供給や流通についてもより競争力のある体制を考えており、販売店や共販店とも話し合いながら進めていく。具体的なことについては現時点ではご容赦いただきたい」。(本文と写真は関係ありません)
取材・文・写真/神領 貢(マガジンX編集長)