トヨタ自動車の2018年3月期決算は売上高29兆3795億円、前年同期比6.5%増、営業利益2兆3998億円、同20.3%増だった。世界販売台数は896.4万台、同0.1%減。
今期の見通しは売上高29兆円、前年同期比1.3%減、営業利益2兆3000億円、同4.2%減とした。世界販売台数見通しは同1.4万台減の895万台としている。為替の円ドルは105円、円ユーロ130円。自動車会社からモビリティカンパニーへ。
小林副社長
トヨタを理解いただきたいと思う。まずはしっかり数字をつかんでいただき、二部で章男社長に会社経営の思い。投資家や株主の参加をご理解願いたい。
質疑応答。
Q 前期実績の評価は?
A 第3四半期は為替を含めて×と言ったが、走り高飛びにたとえて、バーは超えたがバーは揺れているなぁ。固定費は2000億円程度増えている。5年間だと1兆円以上増えている。販売費用も問題かなぁ。原価改善3350億円は従来とあまり変わらない。簡単にできるものではない。表面上はそれなりに出したが課題は浮き彫りになった。
Q 今期の見通しは保守的なのか?
A 四半期ごとに変えていくのは良くない。今回の予想数字は、ちょっと頑張った数字かなぁと思っている。北米事業を短期間で立て直すかを検討している。2020年に営業利益8%くらいに持って行きたいなと思っている。
Q 米国の市場見通しについて。
A 1780万台かなあと。トラックにも今年中にキャッチアップできそう。中古車市場で残価損が発生する。金利も上昇している。インセンティブは細かく車種ごとに対応する。
Q 研究開発費について。
A 3%は変わらないが、次世代には35%くらい。年々高くなっている。そのため稼ぐ力をつけたい。
Q 会見のやり方について。
新入社員での訓示でも、章男社長は、原価低減の話を入れた。人が自分のことのように原価に対して意識を持てば変わる。
事務系が問題。会議、資料作り、調整の無駄など。現地現物で、工数のムダを省く。一緒に話し合ってムダを省く。
Q 会見を二部構成にしたのは?
A 社長の思いをしっかり聞いて欲しい。二部の後にぶら下がりを受けます。取引時間中にやったのは、二部制にしたため。ご理解いただきたい。
Q 中国市場について。
A 2998万台予想。トヨタの2018年は140万台目標。市場成長を上回るレベルでやりたい。
Q 国内販売153万台予想について。
A 地域制にした。副社長をつけた。お客様に喜んでもらおうと思っている。
Q 研究開発費が5年連続で1兆円超えだ。
A 使えば使うほど使う。大事なことはいかに有効に使うか。大きな目標に向かって重点投資していかないと膨れる一方。現行部分はより絞り込んで重点投資する。グループ会社の強みを活かしながら合従連衡でやっていく。
Q 設備投資は?
A 国内はTNGAへの切り替えや福利厚生施設の建て替えなどに使う。
Q 第4四半期について。
A 前年同期比1907億円の増益。品質関連費用が減少している。
Q 小林副社長就任について。
A 人事は自分で決められない。悩みました。高齢で70歳。章男社長が決めたこと。責任は感じている。デンソー時代も章男社長と密に連絡を取ってきた。粘り強く社員と話して行きたい。グループの力が発揮できるような仕組みになりつつあると感じている。デンソーとの違いは一概に言えないが、両社とも一丸となってやっていると思う。
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