「500万台」割れでも新車販売は持ち直しの動き。
今日の日経一面です。黒田日銀総裁の記事下ですね。
年度見通しは484万台です。大台の500万台はメンタル的にはひとつの節目ではありますが、数字そのものに大きな意味はありません。問題は中身です。
記事にもあるように、軽自動車が通期前年割れだったのが影響していますが、これは三菱の燃費抵抗値不正と言うよりは、スズキとダイハツ、ホンダの消耗戦が沈静化して、「新古車」つまり仮需が減ったことによる影響が大きいと思います。実際、中古車市場で新古車は激減しています。スズキはシェア30%にはこだわり続けますが、登録車年間販売10万台目標に見られるように収益重視に転換しました。ホンダもエヌボックスがモデル末期で、いくらか来年の新車待ち状態となっています。
ピークの含軽777万台の頃に比べると、新車販売は確かに大幅に減っています。これは消費者の可処分所得減少、クルマの品質向上、ユーザーがクルマそのものに長距離乗らなくなった、クルマ以外の消費選択肢が増えた、クルマのシェア化が進んでいる、そして人口減少、少子高齢化などの影響があると思われます。保有期間はほぼ毎年延びています。
マガジンXでは長年、登録と届出を分けて記事化しています。新車販売の数字を冷静に見るためには、軽自動車と登録車を分けてみたほうが良いと考えるからです。
2016年は登録車を見る限り、新車販売は持ち直していると判断できます。
なお、登録車でも優勝劣敗はハッキリしています。外国メーカー車が伸びているのを見ると、国産車にユーザーの購入意欲を掻き立てるクルマが少ないとも言えますね。
まぁ、その外国メーカー車も激しい首位争いにより流通在庫が積み上がっていますが。
閑話休題。
それにしても日経は毎月の統計情報を少し前に記事掲載します。日経の看板と記者の取材力の賜物ですね。が、リークするほうは節操がありません。国民の税金で賄われている登録車、届出車の情報システムにアクセスすることが許されている業界団体が、正式発表前に一部の媒体にのみネタをリークする。意図はなんなんでしょうね? 業界と記者のもたれ合いの構図が浮かぶのは私だけかなぁ。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGKKASDZ29H3T_Z21C16A2MM8000/