ソウルレッドクリスタルメタリック塗膜構成
マツダは、デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を象徴する新しいボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」を新開発した。2017年2月より日本で発売予定の新型「マツダ CX-5」に初採用し、それ以降、新型車種や既存車種にも順次展開していく予定。
マツダは、「カラーも造形の一部」という思想の下、魂動デザインの造形美を質感高く際立たせるカラーの開発に力を入れているという。「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、生命感溢れるエネルギッシュな強さと鮮やかさ、濁りのない深みと艶感をより高い次元で両立させたソウルレッドプレミアムメタリックを進化させた新色。ソウルレッドプレミアムメタリックより、彩度を約2割、深みを約5割増したことで、より瑞々しく艶やかな透明感を実現したそうだ。
塗膜層は、クリア層、透過層、反射層というシンプルな3層構成としつつ、マツダ独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」*をさらに進化させた。
透過層には、新開発の高彩度な赤色の顔料を用いることで、赤色をよりピュアに発色させている。反射層には、極薄の高輝度アルミフレークに加えて、光を吸収してシェードの濃さを強める「光吸収フレーク」を採用することで、従来は2層必要だった深みの表現を1層で実現した。また、アルミフレークのサイズを均一化するとともに、塗装の精度向上と乾燥工程で塗膜の体積を収縮させる手法により、アルミフレークと光吸収フレークのボディ面への均等かつ平滑な分布を実現し、より緻密に光の反射をコントロールさせています。これにより、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みを大幅に向上させた。
「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、こうした発色と機能を集約させる塗膜設計技術により、通常より多くの塗膜層を必要とする高意匠カラーをシンプルな層構成で実現することで、マツダが継続的に取り組んでいる環境に優しい塗装ラインでの生産を実現しているという。
ひとつの色を追求してさらなる美しいものに仕上げるというのは、今までにないアプローチ。実際にどのくらいの違いがあるのか気になるところ。また、複雑で微妙な色合いは補修時に再現するのが難しくなる。塗装工場での補修方法も同時に向上させる必要がありそうだ。