明日まで自動車総連が第45回大会開催。
冒頭、司会者から総会での相原康伸会長のスピーチの骨子が説明された。
●熊本地震について組合の自宅750軒程度が直接被災した。長期に渡って見守ってっていかなければならない。
●燃費試験不正については、自工会ほか労使の間で問題意識を共有している。
●今年、国内新車販売が500万台を割り込めば、東日本大震災が発生した2011年以来。ユーザー負担増大に懸念を持つ。
その後、2016春闘の成果について説明があった。
2016年度の賃金改善を獲得したのは、68.6%。格差是正には一定の歯止めがかかった。非正規労働者に対する待遇改善は、326組合で進展があった。昨年の50を大きく上回った。産業全体の底上げをどのように図っていくのか。問題意識の共有を労使で進めている。自動車産業フォーラムを9月29日に都内で開催する。
質疑応答。以下は要旨。
来年の春闘方針について。
2016年の連合の方針は2%程度基準。自動車総連は一定の役割を果たせた。中小、非正規労働者の面で進展があった。今年はイギリスのEU離脱、アメリカの大統領選挙、それに伴うTPPの行方など、不確実性の高まりを認識すべき。「36協定」の特別条項を見直して労働時間の上限規制を導入するのは賛成。詳細はこれから。産別の個々のテーマを言うよりは、上限規制を念頭に置いて、働き方改革を進めていくのは賛成。一方で相当な競争環境に自動車産業が置かれていることは明らか。これまでは事後的対処になっていた。
社会的役割春闘について。
底上げと格差是正の大きな流れは変わらない。どういう形かは全般情勢を見極めて判断したい。
適正取引順守ガイドラインを労使で共有できたのは大きい。具体的な成果を求めていくのは2年目の今年。
自民党政権で四年が経った。トリクルダウンの効果について。
経済を動かしていくための理論。在り方として否定するものではない。が、消費が萎縮しているのを打破していくための具体がないとの趣旨。地方の雇用を生み出していけるような希望をどうやってやるのか。求めるところを労使でしっかり定めていきたい、足元の為替変化が大きく、企業マインドが影響を受けている。インダストリアル4.0に象徴される技術革新が早く、その取り組みも注視していかなければならない、との趣旨だった。
取材・文・写真/神領 貢(ニューモデルマガジンX編集長)