ブリヂストンは、竹中工務店と共同で、約30年間建物で継続使用されているBS製の免震ゴムの性能確認試験を行い、長期耐久性を有していることを確認した。
この免震ゴム(天然ゴム系積層ゴム)は1986年に製造され、竹中工務店が設計・施工した初の免震建物である「竹中工務店 船橋竹友寮」(千葉県船橋市)に使用されているも。今回の試験では、建物に設置されている全14基のうち1基を取り出し、BS横浜工場にて鉛直・水平方向の基本特性試験、及び外観・寸法検査を行った。
約30年経過後の変化は予測範囲内に収まっており、基本的な性能を保持していることが確認され、BS製免震ゴムの高い長期耐久性が実証された。また、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(船橋市:震度5弱)では、この建物の免震ゴムで最大78mmの変形が観測されているが、今回の性能確認試験結果により、地震を経験してもBS製免震ゴムは性能を保持できることについても確認できた。さらに今後は、取り出した免震ゴムの内部ゴムの物性を詳細に調査する予定。
なお両社はこれまで、免震構造技術のより一層の信頼性向上に寄与するため、同建物で使用されている免震ゴムを約10年ごとに取り出して調査してきた。今回の調査は1996年、2008年に続き3回目。今後、当該データをより良い製品開発、研究に生かしていくそうだ。
建築地 | 千葉県船橋市 |
設計・施工 | 竹中工務店 |
竣工 | 1987年3月 |
用途 | 共同住宅 |
延べ床面積 | 1,530m2 |
階数 | 3F(地下なし) |
構造種別 | RC(基礎免震) |
免震部材 | 天然ゴム系積層ゴム支承粘性体ダンパー |