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【スバル・クロストレックS:HEV】
HEVのメリットは、何?
スバルが2018年に北米市場に投入したクロストレックPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)にはTHS (トヨタハイブリッドシステム)2の部品が使われていた。横置きFF用のTHS2を縦置きに作り変え、後軸も駆動する4WD車にするため、電磁クラッチ式のカップリングをトランスミッション後端に備えていた。今回、これと同じシステムを使ったHEV(ハイブリッド車)が日本でデビューした。テレビCMでは「ストロング・ハイブリッド」を連呼しているが、もともとがTHS2であるのだから「縦置きプリウス」と呼ぶこともできる。そして、その走りは何となく似ていた。
せわしない駆動系
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) スバル・クロストレックのS:HEV(ストロング・ハイブリッド)だ。日本のOEM(自動車メーカー)各社が持つHEVは、ホンダがe:HEV、日産がe-POWERで、トヨタはTHSⅡだけでなく複数のタイプを取り揃えている。それぞれシステム上の特徴があるが、スバルはTH2Bという名称をこのHEV用トランスアクスルに与えた。通称名はe-BOXERだが、スバルは小型の電気モーターと小さな電池を積むマイルドHEVにも同じ名称を使っているから紛らわしい。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) みなさんに乗ってもらったのはS:HEV「EX」というグレードだ。ICE(内燃機関)は2.5ℓ水平対向4気筒の118kW(160ps)で、これに駆動用の88kW(119.6ps)の電気モーターを組み合わせている。発電モーターは独立している。車両価格は405万3500円だ。
元部品メーカーのエンジニア(以下=部) これ、北米向けのPHEVとはトランスファーの仕組みが違います。PHEV用はTH2Aという名称で、プラネタリーギアを2セット使っています(下図参照)。国内向けのS:HEV用のTH2Bは、動力分割機構にプラネタリーギアを使い、駆動用モーターのMG2にICE動力をミックスされながらMG2の回転を減速して、トランスファードライブギアに伝える部分にもプラネタリーギアを使っていますが、今回試乗したTH2Bは後方の駆動用モーターMG2を減速させるプラネタリーギアを通常の減速ギアに取り替えることで簡素化しています。
自動車業界の事情通(以下=通) 単純にMG2を減速するだけならプラネタリーギアは要らないという判断だろうか。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) 図を見ると、北米向けTH2AのMG2側のプラネタリーギアは、リングギアを固定してある。だから減速比は2つ作れるはずだが、クラッチもブレーキも持っていないから単純に減速するだけだ。
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