2024年10月18日まで千葉県の幕張メッセで“ジャパン・モビリティ・ショー・ビズウイーク・2024”が開催されている。会場内に展示されている完成4輪車は12台。そのうちバスやトラック、つまり商用車は5台。ダイハツUNIFORM Truck、いすゞ・エルガEV、いすゞ・エルフmio EV、三菱ふそうeキャンター“SensorCollect”、日野デュトロ Z EVである。
このなかでは、三菱ふそう eキャンター“Sensor Collect”が2024年8月7日に発表されたばかりのコンセプトモデルで、注目を浴びていた。現状、街なかを走っているゴミ収集車よりはるかに洗練されたエクステリアをまとうこのコンセプトモデルは、BEV(バッテリー電気自動車)トラックとなる“eキャンター”をベースとし、SAEレベル2の運転自動化機能を搭載した自動追尾型ゴミ収集車のコンセプトモデルとなる。2023年11月に環境省と合同で川崎市内にて実施した、自動追尾型EVごみ収集車の実証実験を実施しており(市販車ベースのあくまで実験車両にて)、翌年度の実証事業にも参画している。
自動追尾とはどんなことかといえば、一般のごみ収集車では作業員が運転し、集積場に到着すると降車して収集作業を行い終わったら再び乗車して次の集積場所へ向かうのだが、このコンセプトモデルではドライバーと認識した人物を自動で追尾するというもの。つまり、作業員は移動するたびに収集車に乗降することなく、回収作業が終わり次の集積場へ歩いて移動すると、収集車もそれを追尾して自動運転するというのであり、今回開催直前にそのコンセプトモデルが発表されたのである。
「“エッセンシャルワーカー”ともいえる、収集作業員ですが自動追尾機能などの収集車への搭載により収集作業の負担軽減をはかると同時に、収集作業員のイメージアップにもつながればというのが実証実験実施の背景にはあるようです」とは事情通。
また“はたらくクルマ”の代表ともいえるゴミ収集車は子どもたちのなかに熱狂的なファンも多いとのこと。「展示会などをやれば、担当者は子どもの相手に追われることも多いとのことです」(事情通)。
はたくクルマでは乗用車よりもBEV化が進んでいるだけではなく、安全運転支援デバイスや自動運転技術の搭載など最新デバイスでも乗用車よりも積極的に搭載が進んでいるようにも見える。それは単に“運転が楽になる”というだけではなく、インフラを守るためというはたらくクルマ特有の“深刻なドライバー不足”への対策というものがあるのは間違いないといえよう。